ほくろ治療-美容コラム

COLUMN

ほくろの治療について解説

2024.12.17

今回は「ほくろ」についての解説です。
ほくろは誰にでも出来てしまう皮膚のできものです。
部位や大きさによって、日常生活に支障をきたしたり、見た目の問題で気になってしまうこともあります。
そんなほくろですが、実は簡単に取ることができ、小さいものであればレーザーで1〜2分で取れます。
しかし、すべてのほくろに対してレーザー治療がおすすめというわけではありません。
大きさによっては手術をして切除する方が良い場合もあるので、今回は治療方法についても詳しく説明していきたいと思います。

ほくろについて

ほくろとは

“ほくろ”は医学用語で“母斑(ぼはん)”と呼ばれます。遺伝や生まれつきなどの要因で、生涯のさまざまな時期に出現します。
皮膚の浅いところ、深いところ、表面からドーム状に飛び出しているもの、色が黒いものから薄い日本人の平均的な色のものまでさまざまです。

自然になくなることはほぼ無く、徐々に大きくなってくることもあります。
小型のものは経過観察でほとんど問題はありませんが、大型なものでは悪性化するリスクや、衣服に引っかかったり日常生活に支障をきたすことがあるので、切除することが基本となります。

皮膚癌との見分けかた

ほくろ(母斑)自体は良性の皮膚腫瘍ですが、見た目がよく似た腫瘍で“悪性黒色腫(メラノーマ)”という皮膚癌があります。
ほくろと同じ黒色の腫瘍ですが、悪性度が高く、放置すると全身に転移するため、早期発見・早期治療が重要な皮膚癌です。

悪性黒色腫の写真

(国立がん研究センターHPから引用)

悪性黒色腫(メラノーマ)を疑う特徴として以下のものが挙げられます。

・いびつな形をしている
・腫瘍と皮膚の境界がはっきりしない
・色が濃い部分や薄い部分がある
・週単位や月単位で目に見えて大きくなる
・表面が徐々に盛り上がってきたり、赤く出血したりする。

自分のほくろが悪性の腫瘍かどうか、心配な方はまずは皮膚科を受診するようにしましょう。

ほくろの治療

ここからは、ほくろの治療方法について“手術療法”と“レーザー療法”の二つを説明していきます。

手術療法

手術療法はメスを使ってほくろを切除する方法です。ほくろに沿って皮膚を切開し、ほくろを除去したあと、皮膚を縫合します。施術した後は病理検査を行うので、悪性腫瘍の可能性がないか調べることができます。

日帰りの手術で、時間も30〜40分程度で終わります(大きさや個数で変動します)。
隆起していて衣服に擦れたりするようなほくろ、目の周りにできて視界が遮られるようなほくろ、悪性の疑いがあるほくろ等は保険診療の手術で取ることができます。

また、手術後は何回か通院が必要です。

当院では、

・翌日もしくは翌々日の消毒
・1週間後の抜糸
・2週間後の病理検査結果の説明

以上の際に通院していただいています。

レーザー治療

二つ目はレーザー治療です。炭酸ガス(CO2)レーザーといって、ほくろ自体を熱で蒸散させてしまうレーザーです。

手術と同様、局所麻酔をしてから施術を開始します。
時間はだいたい5〜10分くらいで終わります(大きさや個数により前後します)。
レーザー直後から施術部位にテープを貼っていただき、
おおよそ1〜2週間で傷は治ります(傷が治るまで2〜3日に1回の頻度でテープの交換が必要です)。
炭酸ガスレーザーはほくろだけでなく、小さいイボやしみも取ることができます。

レーザー治療の注意点

皮膚の深いほくろの場合、傷が治った後も深掘れの跡になる可能性があります。

陥凹が残らないようにレーザーを当てるようにしますが、
ほくろが一部残ってしまったり、後に再発する可能性が少し高くなってしまいます。

実際の症例

当院でほくろに対してレーザー治療を行った症例を紹介します。

ほくろ除去

口元と、右頬のほくろをCO2レーザーで除去しました。施術前と施術2週間後の写真です。
治癒直後のため右頬は赤みが残っていますが、通常数カ月で徐々に落ち着いてきます。

 

手術、レーザー治療それぞれのメリット・デメリット

手術とレーザーについて解説しましたが、それぞれのメリット・デメリットを挙げていくので、治療を検討している方は参考にしてみてください。

手術治療

メリット
・ほぼ確実に腫瘍を切除することができる
皮膚の全層で腫瘍を切除するので、レーザー治療よりも再発の可能性は低いです。
・病理検査によって、診断をつけることができる

デメリット
・受診当日に手術できない
当日は血液検査(感染症などの検査)を行い、1週間後以降で手術の計画を立てます。
・レーザーよりも通院の回数が多い
当院では、手術後も消毒、抜糸、結果説明の際に来院していただいています。

レーザー治療

メリット
・手軽に施術を受けることができる。
基本的には受診当日に施術することが可能です。施術時間も10分程度なのですぐに終わります。
・通院回数が少なくてすむ
施術2週間後に一度検診に来ていただき、傷が治っていれば終了です。

デメリット
・再発の可能性が少し高い
手術と比較して、再発の可能性が少し高くなります。ほくろの細胞の一部が残ってしまう可能性があります。
・施術後テープを貼る必要がある。
・傷が治癒した後も赤みがでる
数カ月で赤みは徐々に落ち着いてきます。また、一時的な色素沈着を起こす可能性もあります。
・病理検査できない

よくある質問

ほくろを取ったあと、傷跡はのこりますか?

サイズが小さいもの(5mm未満くらい)であれば、ほとんど気にならないくらいキレイに治ります。ただ、まれに体質によって白斑(白抜け)になる方や、肥厚性瘢痕やケロイドといって赤く腫れたりすることがあります。手術の場合、薄い線のような傷跡が残ります。

施術の痛みはどうか?

レーザー、手術どちらの場合も事前に局所麻酔を行うので、麻酔時に少し痛みを伴います。施術中の痛みはほぼありません。

ほくろ取りの料金

当院のほくろ・イボのレーザー治療の料金は以下となります。

炭酸ガスレーザー
ほくろ除去

5㎜未満 1個 ¥5,500
5㎜以上1㎜につき 1個 ¥1,100

炭酸ガスレーザー
いぼ除去

5㎜未満 1個 ¥5,500
5㎜以上1㎜につき 1個 ¥1,100
10cm×10cm 1エリア ¥44,000

※別途、診察料とテープ代がかかります。
保険診療の手術の場合、腫瘍の大きさにもよりますが、費用はおおよそ¥10,000前後となります(3割負担の場合)。

 

ほくろ除去の注意事項・副作用

副作用・リスク

・創部が治癒した後も赤みが出ることがあります(通常数週~数カ月で落ち着きます)。
・治癒した創部に肥厚性瘢痕やケロイド、それに伴うひきつれが生じる可能性があります。
・手術の場合、一般的な手術のリスクとして、血腫の形成、創部の感染、創部の離開、Dog earの形成、再発の可能性があります。

禁忌・注意事項

妊娠中の方は施術を受けていただくことができません。
過去に局所麻酔を受けてアレルギー症状を起こしたことがある方は事前に申し出てください。

ほくろ取りをお考えの方は、みどりBEAUTY CLINICへ

いかがでしたでしょうか。
ほくろ治療に関して、手術とレーザーの違いについて説明しました。
ほくろは誰にでもできる皮膚腫瘍です。
自然に消えて無くなることはほぼありませんし、少しずつ大きく成長することもあります。
大きくなってから治療を行うと、傷跡が目立ってしまうことがあるので、気になる方は早めの除去をおすすめします。
気になる方はぜひお気軽にカウンセリングにお越しください。
最後までご覧いただきありがとうございました!

記事監修者プロフィール

小西邦彦 院長 小西邦彦 / 院長

経歴

2017年3月 和歌山県立医科大学 医学部 医学科 卒業
2017年4月 社会医療法人生長会 ベルランド総合病院にて初期研修
2019年4月 大阪大学医学部 形成外科 入局
2023年6月 大阪府内美容皮膚科で勤務
2024年3月 みどり BEAUTY CLINIC 開院

所属学会

  • 日本形成外科学会
  • ジュビダームビスタ認定医
  • ボトックスビスタ認定医